「うつ病で休職」は恐くない!

松田鬱男の休職・社会復帰ブログです。

うつ病と煙草

 今回は、うつ病と喫煙について私見を述べさせていただきたいと思います。このご時世ですから、喫煙者の方はタイトルだけで「まーた禁煙しろって説教かよ」と辟易されたかもしれませんね。でもご安心ください。松田もいまは禁煙していますが、うつ病患者は禁煙してもしなくてもどっちでもいいと思っています。

 ※毎度のことながら、松田は医学的な見識をもっていません。喫煙・禁煙は自己のご判断でお願いいたします。

 

 まず喫煙者の方にお尋ねしてみたいのは、吸い始めたきっかけは何ですか?ということです。大人になりたくて、悪ぶりたくて、知らない世界に触れてみたくて。いろいろ説明はつくかと思いますが、ほぼすべての方に間違いなく共通するのは「仲のいい人が吸っているから真似してみた」ことだと思います。松田もその例に漏れません。少しその話を書かせてください。

 松田は高校時代のある友人と、大学進学のタイミングでそれぞれ別の土地に移ってしまいました。それもあってか盆・正月に会う機会をお互いつくるようにし、いまでも親交が続いています。病気のこともカミングアウトしており、それでも変わらず接してくれる親友です。

 大学時代のある年末、松田は彼の実家にお邪魔していました。夜の田舎(失礼)で男ふたり、特にすることもなく海辺をブラブラ散歩しているとき、彼が煙草を吸いました。そういえば高校時代から吸っていました。松田はそれまで吸ったことがなく、煙草はむしろ嫌いでしたが、このとき嫌いなはずの副流煙のにおいに刺激されて、猛烈に吸ってみたくなりました。それというのも、松田は大学進学で上京したのですが、大学生活で初めての失恋をしたタイミングだったのです。何にも縛られない大学生がいまさらグレるわけではありませんが、失恋のショックを紛らわすために、身体の中に毒物を入れたい、という歪んだ欲望が湧き出てきました。幸か不幸か、煙草がそこそこ身体に合っており、肺に入れてもむせることなく2、3本吸うことができました。

 独特の苦味。眩暈にも似た、脱力感を感じるヤニクラ。夜の空にかすんでいく紫煙。火をつけてから消えるまで、だんだんと変わっていくにおい。その毒々しさに、松田は一発でハマりました。皮肉なことですが、松田は健康と引き換えに失恋を乗り越えるカタルシスを手に入れてしまったのです。その友人が喫煙者でなければ、松田もそのとき吸い始めることはなかったでしょう。

 

 前置きが長くなりました。何が言いたいかと言うと、松田はストレスを感じた際に「毒を以て毒を制す」ような意識で煙草を吸います。禁煙は何度かチャレンジし、1年以上続くこともありました。しかし、仕事で耐えがたいストレスが続いたとき、やはり逃げ場として煙草という選択肢が常に上位にあり、喫煙を再開してしまうのです。

 2回目の復職の際、上司から、どこまで本気かわかりませんが、禁酒・禁煙を命じられました。私の健康のための指示ではあるのですが、医者でもないのに何故?とやや不服を感じました。しかし、そのとき既に禁煙していましたし、会社の飲み会は疲れてしまうので欠席することにしており、特に支障もないので従っていました。

 当時担当していただいていた産業医になんとなく、一般的な健康被害はさておき、煙草はうつ病に悪影響があるのですか?と尋ねたところ、直接的にうつ病への悪影響はない。ただし、喉・鼻をいため、免疫が落ちて風邪をひきやすくなり、風邪がメンタルを悪化させる影響は十分にある。メリットがあるとすれば、ニコチン接種によりリラックス効果(ただし錯覚)は得られるが、せいぜい30分ほどしかもたない。総合的な健康のことを考えると禁煙をすすめるが、吸いたければ吸えばいい。という回答を得ました。また、その後3回目の休職に入り主治医が代わった際にも相談したところ、喫煙よりも、禁煙のストレスの方がうつ病に悪影響を与える。わざわざストレスを感じる必要はない。禁煙はうつ病が落ち着いてからチャレンジすればいい。と、かなり気楽になれるアドバイスをいただきました。

 話は戻って2回目の復職後、結局また休職するくらいですから、松田はそれなりに仕事でストレスを抱えていました。そのため、上司が会議に入ったタイミングなど、目を盗んで喫煙するという姑息なことを始めました。社会人にしてグレたのです。喫煙者の妙な仲間意識はご存じかと思いますが、上司に隠れて吸っている松田を喫煙所仲間は面白がっており、密告されることもありませんでした。ただ、子どもがまだ小さいので、煙草に興味をもたないよう、また二次・三次喫煙させないよう、家では吸わないようにしていました。

 しかし、水が低きに流れるように、松田のモラルなど簡単に堕ちていきます。段々と吸い方が大胆になっていき、上司は喫煙者ではないから喫煙所で会うこともないだろう、と昼休みなどにもおおっぴらに吸い始めました。帰宅してからも、家の中では控えるもののベランダで吸うようになり、妻の視線が厳しくなっていきました。そして堕落した者には当然バチがあたります。ある日の昼休み、のんきに喫煙所にいたところ、上司が乗り込んできました。前々から松田が喫煙所に出入りしているのを見かけていたそうなのですが、とうとう現行犯で御用です。30歳も過ぎた子持ちのおっさんが、会議室に呼ばれて喫煙していることをみっちりと怒られました。色々と、非常にみじめでした。そして松田は、上司に対して二度と吸わないことを宣言し、しかし心の中では二度と見つからないことを誓いました。

 その後も決死の思いで上司の目をかいくぐり喫煙を続け、バレなかったのか最早お目こぼしされていたのか不明ですが、3回目の休職にいたりました。そこで前述の主治医への相談と回答を受け、無理に禁煙せずに復職までになんとかしよう、と考えていました。しかしまたも思いとは裏腹に、重度の抑うつ症状で布団から動けなくなり、その間にニコチンが抜け、期せずして禁煙できてしまっているのが現状です。

 いまでも時々吸いたくなります。しかし、自分と家族の健康を考え、そしてお金もかかるので、できればこのまま禁煙を続けたいと思っています。同じ思いの方に向けて、過去何度か禁煙に成功した際のメソッドを記載します。

 

●ガムを噛む

 有効でしたが、松田の場合は例の歯痛を悪化させてしまいました。いまはガムは恐いです。

●アメをなめる

 有効でしたが、口の中が荒れます。口内炎もできました。

●メロンパンを食べる

 なぜか煙草の代用にメロンパンを食べ続けたことがあります。有効でしたが、太ります。

●子どもをつくる

 さすがに親としての責任を感じ、やめようと思った瞬間からやめられましたが機会が限られると思います。

●VAPEを吸う

 一番オススメで、現在も吸っています。ニコチン・タールなしで煙が出るので、多分健康的に禁煙できます。特にメンソールを吸っていた方は、煙草より強いメンソールも楽しめますのでむしろこっちの方が好きになるかもしれません。

 

 最後に。個人的に、うつ病と喫煙は似ているところがあると思っています。禁煙に成功しても、完全に非喫煙者に戻るわけではない。常に、喫煙再開の罠が待ち構えていると自戒の念をもっています。煙草は好きですが、いまは距離をおこうと思います。

 禁煙したいと思っている方。冒頭でもお尋ねしましたが、吸い始めた動機はなんでしたか?人の真似で吸い始めただけなら、時勢に流されて人の真似でやめてみてはいかがでしょうか。まあどちらでもいいと思いますので、気楽に構えてください。